このページでは、NHKテキスト「腸内細菌のチカラ」の内容を、自分でわかりやすいように、端的に整理して、見解を書き出していきます。
もくじ
二つのエネルギー生成系
- 生物の祖先が誕生したのは酸素のない世界
- 現存する二つの原核生物の系統「真正細菌」と「古細菌」に分かれた
- 真正細菌(植物の祖先)は、光合成によって酸素を発生させた
- 酸素を利用して生きる「好気的な細菌」が誕生し、ATPを得る
- ATPとは、酸素を使って有機物から生命活動のエネルギーを生成する
- 酸素を使わない細胞が、酸素を使う細胞を内部器官に取り込んで共生
- ミトコンドリアの誕生
- 細胞がミトコンドリアを持ち、多様な生物へと進化
- 人間は、「解糖エンジン」と「ミトコンドリアエンジン」の2つのエネルギー生成系をうまく使い分けて生きている
活性酸素の役割
- 原核生物は永久に生き続けられた
- しかし、ミトコンドリアにより「死ぬ」という運命を背負う
- それは、酸素が強い毒性を持つから
- ミトコンドリアは、ATPを合成するときに、酸素を使う
- 活性酸素とは、酸素の毒性を上手に活用している
- 活性酸素が人体に有害となるのは、過剰に発生したとき
- 細胞がミトコンドリアを働かせる以上、活性酸素の発生は止められない
- 活性酸素の生成と消去との均衡を保てるようにする
- 生活習慣の改善や、抗酸化力のある食物を積極的に取り入れることが必要
ミミズには脳がない
- 生物は、内臓が腸だけで生きられる時期を長い間続けてきた
- 動物は進化の過程で、もともとは「腸」だけで生きていた
- ミミズは腸以外の臓器はほとんど持っていないが、物事の判断ができる
- ミミズの腸には数えきれないほどの腸内細菌が存在している
- この腸内細菌が、神経伝達物質を合成し、免疫細胞と共同して、病気を防ぐ免疫力をミミズに与えている
ミトコンドリアを活性化させる
- 健康を保つためには、ミトコンドリアエンジンを活用する
- ミトコンドリアを活性化させる3つのポイントがある
- 1つ目は、腸内細菌をバランスよく増やすこと
- 2つ目は、食べすぎないこと
- 3つ目は、有酸素運動をすること
- これらを意識しながら、「規則正しい生活」をすること
- ミトコンドリアは、体内時計のリズムに合わせて活動しているから
体内時計を整えるのに気をつけたいこと
- 十分な睡眠
- 食事の量
- 摂取栄養のバランス
- 食べる時間
- 太陽の光(特に朝起きた時)
体内時計は、
- 活性酸素を消去する抗酸化酵素発生のリズムに関与している
- ミトコンドリアの活動にも影響を及ぼす
- 免疫機能にも影響を及ぼす
- 若さを保つことにも深く関係している
腸の長さと脳の大きさ
- 肉食動物の腸は短い(肉食なのでタンパク質→アミノ酸をすぐに合成できるから)
- 草食動物の腸は長い(食物繊維を腸内細菌が発酵させてアミノ酸を合成するから)
- 人間は腸内細菌と共生することで脳を大きくして進化した
- 人間は雑食だが、腸の消化細胞だけでは、様々な食品を消化吸収できない
- そこで腸内細菌に食物の消化を助けてもらっている
腸内細菌は、
- 食物繊維を消化する
- 体内で合成するビタミン類では間に合わないため、腸内細菌に委託している
- ビタミンB類やビタミンKなどは腸内細菌が合成してくれている
・・・というわけで、脳が大きくなれたのは、腸内細菌のおかげなのです。
プラーナの感想
個人的にも長年考え続けてきたことが、「腸内細菌」という観点から読み解かれており、非常に驚きを感じたと同時に、納得もできてしまいました。
「この理論を言いたいがために、都合の良いことだけを切り取っているのでは?」という疑いの観点も意識してみましたが、流れるような語り口に魅了されて、納得しているという状態です。
以前、プラーナでは、「プラーナ式養生術」なんてことを考えたこともありました。食事について考えた時、そもそも人間は何を食べてきたのか、という考え方にたどり着き、自分なりに検証をしてみましたが、どうも納得できなかったのです。
ところが。「人間の消化器官」に「腸内細菌が住み着いている」という切り口から、「人間は腸内細菌と共生している」という観点を見落としておりました。
藤田紘一郎さんの説明は、原始人よりも以前の原始生物から始まり、進化の過程を腸内環境の観点から説明してくださっています。さらに、「ミミズ」という身近な生物を例に挙げて説明されており、説得力のある文章構成となっておりました。
人間には、2つのエネルギー系があるのも、なんとなく分かってはいたものの、腸内細菌と関連づけて理解できておらず、今回のような納得にまではいたっていませんでした。情報と知識、そして、知恵、という違いを目の当たりにした体験でした。例えるなら、違うパズルだと思っていたピースが、ピタッとおさまったような快感でした。
体内リズムや睡眠、そして規則正しい生活についての根拠も、ミトコンドリアを根拠にした説明は、「なるほどな〜」と納得することしかできませんでしたし、そうなんだろうな〜という奇妙な予感のようなものも手伝って、不思議な気持ちになりました。
まさか、ぬか漬けからこんな展開になるなんて思っていませんでしたが、とても良い機会に巡り会うことができました。