#9 ケモタイプってなに?|同じ植物でも精油成分に違いがあるのはなぜ?


はじめに

同じ種類の植物を原料としていても、栽培された土壌や気候などの違いから、成分が異なる精油を分類したものが「ケモタイプ(化学種)」です。今回は、この「ケモタイプ」について掘り下げていこうと思います。

原料の生育環境の違いで、成分が異なる精油

精油には「ケモタイプ(化学種)」と呼ばれる種別があります。原料となる植物が植物学的、学術的に同じであっても、抽出した精油に含有される化学成分の構成が異なっているもののことです。

成分の違いは、原料となる植物が育った土地の土壌、気候条件、肥料などによって生じます。

たとえば、ローズマリーの精油は、実は大きく3種別に分けられています。

  • ローズマリー・カンファー
  • ローズマリー・ベルベノン
  • ローズマリー・シネオール

という、ケモタイプがあります。

「ローズマリー・〇〇〇」という「〇〇〇」の単語は、その精油に最も多く含有されている成分の名前です。この成分によって香りや作用に違いが現れます。ケモタイプが存在する代表的な精油には、タイムやバジルなどがあります。

身近な例で例えると

野菜で例えると、わかりやすいと思います。たとえば、

  • ジャガイモといえば、北海道だよね
  • レタスといえば、長野だよね
  • 米といえば、秋田だよね

のように、同じ野菜でも、産地によって、味や香り、食感が異なりますよね。ご当地野菜とかその土地でしか育たない野菜とか、そういったものも含まれているかもしれませんが、大きく見れば、それらも「ケモタイプ」と考えることができると思います。

精油の場合は、化学的な手法で、含有成分の比率から、分類しています。

成分の違いは香りや作用に影響

精油のケモタイプの判定は、ガスクロマトグラフィーなどの精密な分析機械を用いて、成分分析した結果をもとに、専門家が行います。

ケモタイプを見分けるには

アロマショップに並ぶたくさんの精油の中で、どれがどのケモタイプがどうかを見分けるには、精油のラベルや成分分析表を確認します。

ただし、日本では「ケモタイプ」という言葉はプラナロム社の登録商標であるため、製品名として他社の精油には使うことができず、ケモタイプの表記は精油のメーカーによって異なります。

精油のラベルや成分分析表には、原料植物の学名に続けて「ケモタイプ=Chemo Type」を略した「ct.」の表記と成分名が記載されていたり、メーカー独自のデザインでケモタイプであることが表記されています。

ケモタイプは成分の違いですから、なにも記載がない場合でも成分分析表を比較して、成分構成の違いを見て確認することもできます。

原料となる植物が同じでも、それぞれ成分により特徴に違いがあることを把握しておけば、使用目的に応じて使い分けることが可能になり、精油の活用の幅が大きく広がります。

どんなときに、どのケモタイプ?

医療や自然療法などにも精油が活用されているヨーロッパでは、ケモタイプの特徴を活かし使い分けられています。その特徴や活用例を一部ご紹介いたします。

ローズマリー

ローズマリー・シネオール

ローズマリーのケモタイプの代表格です。メントールに似た成分が含まれているため、咳や痰が出るときに、蒸気吸入で蒸気を吸い込むと、不快感を軽減できます。

ローズマリー・カンファー

ツンとした香りで、肩こり、腰痛などのつらさをリフレッシュしてくれます。

ローズマリー・ベルベノン

青々とした香りで、飲み過ぎや疲れたときにオススメです。

ローズマリーの注意事項

ローズマリーの精油は刺激が強いため、血圧の高い方や妊娠中の方、乳幼児への使用は控えましょう。

バジル

バジル ・リナロール

バジル のケモタイプの代表格です。甘さとスパイシーさを含んだ香りで、精神的に疲れたときに気分をリフレッシュさせ、集中力を高めます。

バジル・チャビコールメチルエーテル

なんとなく頭がスッキリしないときに、重たい気分を解き放ってくれる香りです。

タイム

タイム・ゲラニオール

アルコール類に属するゲラニオールや酢酸ゲラニルを多く含む、甘いバラのような香りです。集中力や記憶力が必要なときに心を落ち着かせてくれます。

タイム・リナロール

甘みのある強いハーブ系の香りで、細菌やウイルスに強い精油です。外出後のリフレッシュや、落ち込んだときの気分転換の手助けになります。

さいごに

いかがでしたでしょうか?今回は、精油の「ケモタイプ」についてご紹介いたしました。具体的な化学成分などが出てきていますので、むずかしく見えますが、慣れてくれば、わかってきます。身近な例だと、

  • アントシアニン
  • ポリフェノール
  • フラボノイド

など、すこしずつ一般の方々にも浸透してきていますし、それぞれがどんなことに役立つのかも、紐付けができるようになってきています。なので、たのしみながら、すこしずつ専門用語などに触れて、覚えていけば、だいじょうぶです。

「アロマの基礎」で連載しているように、香りは記憶と深い関わりがありますから、実際に香りを体験してみると、覚えやすいし、思い出しやすいと思います。

また、精油とアロマオイルの大きな違いの1つとして、「精油は成分分析をしている(全数ではなく、ロットごとだと思います)」ということです。これは、上に例を挙げたように、専用の機械で科学的な分析をしているため、検査料や品質保証なども含まれた価格となっていることを忘れないでください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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この投稿は参考文献をもとに、プラーナの経験などを交えて記載したものです


<自己紹介>
ハーバルカフェプラーナ店主の神馬(ジンバ)です。2011年4月からプラーナを開業して、ハーブとアロマの専門店をしています。日本メディカルハーブ協会認定のハーバルセラピストです。ハーブ専門家として活動や、セラピストとして「ライフスタイルデザイン」のアドバイスをしています。お仕事のご依頼、お待ちしております。

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